学校の様子(過去分)

地域防災力を高める研修会

10月29日(火)の午後1時30分から氏家公民館において、「県民カレッジ」防災学習講座で「地域防災力を高める研修会」が開催されました。皆様方にも防災について関心をもっていただくため、また、少しでも役に立つ情報を提供したいと考え研修の内容をアップしました。

 

まず、主催者の塩谷南那須教育事務所 吉成健所長よりごあいさつがありました。「東日本大震災のでは、自助(自分を助けること)共助(共に助け合うこと)公助(公共団体が助けること)が大切だと分かりました。その経験を風化させないために、本研修会を開会しました。」という内容でした。



次に、来賓のさくら市教育委員会 岡田 正 教育長よりごあいさつをいただきました。「大きな震災を経験して「絆」の大切さが浮かび上がりました。災害にどう対応すべきか備えが大切です。本日学んだ成果を学校・家庭・地域に広めてください。」という内容でした。


そして、基調講演です。「減災力は、地域力」と題して、東北福祉大学 福富 哲也 教授から講演がありました。


(1) 阪神淡路大震災後の東北福祉大の取組

  震災後、多くの若者がボランティアとして活躍したため、学生のボランティアに対して単位化を提唱し、国からの予算を獲得できたため、児童・生徒の防災教育と防災士の育成に尽力した。

  また、離れた場所と連携が必要だと考え、神戸学院大学と東京工学院大の相互支援協定を結んだ。

(2) 過去の災害からの教訓

  ○宮城沖地震でのブロック塀の倒壊→生け垣への移行が進む。

  ○阪神淡路大震災での建物の倒壊と火災→建物の耐震化が進む。

  ○新潟県中越地震の土砂崩れ

  ○東日本大震災の大津波、東北自動車道の交通規制、停電、電話不通、断水、沿岸地域の火災→大学内に1400名の避難者が訪れたが、指定避難場所になっていないことで、支援物資が届かなかった。指定避難場所の見直しが必要、転倒防止棒や壁への取り付け器具は全く役に立たない、スチール製本棚のもろさの露呈(遊びのある木製家具が有効)、電気で働く暖房器具が使用不可(電気を使わない器具の必要性)、電話が普通で安否確認ができないこと(個人情報の管理の仕方の工夫)、想定外の津波への対応(防潮堤、住宅移設)、想定そのものの見直しが必要

(3) 栃木県の災害(過去は大火・洪水・地震、これからは風害=竜巻)への備え

  ※ 地震は発生(警報)からわずかではあるが時間があるが、竜巻は猶予がないことを念頭に置くこと

  ○指定避難場所の見直しが必要→体育館のようなところはかえって被害が出てしまう恐れがあること

  ○タイムライン(災害があったらいつ、だれが、どのような役割を務めるか)の作成が必要

  ○いろいろな機関(町当局、警察、消防、福祉協議会など)との連携の必要性

  ○避難所でのトラブル(鳴き声、いびき、足音なども原因する)への対応

  ○町内会の立て直し→いざというときに一番役に立つのが町内会

 最後に、3つの事例発表がありました。




1つは、「実践的防災教育総合支援事業について」と題して、矢板市教育委員会の青木先生から、片岡小・中学校で行われている「学校防災アドバイザーの活用」「竜巻・雷から身を守るという講話」「緊急地震速報受信システムを活用した避難訓練」などのお話がありました。ボランティアのお話から、ランドセルで頭を守ること、寝ているときに地震がきたらダンゴムシになること、「防災グッズ」5点セット+1(厚底スニーカー・靴下・懐中電灯・防犯ブザー・帽子付きウインドブレーカー・ラジオ)を用意   しておくことなどは、参考になりました。

 2つ目は、なす少年自然の家の畑山先生から、「防災キャンプについて」のお話がありました。楽しく防災について学べる活動(救命救急法、ジェルキャンドル作り、ロープワーク講習など)が用意されているが、参加者が少ないので是非応募してみてくださいとのことです。(ホームページに案内があります。)

 3つ目は、「那珂川町新町地区の防災訓練について」、元新町行政区長の堀江さんからのお話でした。3年前に始めたということで、やってみるといろいろな問題が見えてくる。しかし、実施してから町内の防災意識が高まったこと、指導者が増えたこと、お互いに声を掛け合えるくらい親しくなれたことなどの成果が出たというお話で、とても説得力がありました。